砕氷艦「しらせ」出国行事    

 11月16日午前、砕氷艦「しらせ」(艦長 大鋸寿宣1等海佐 乗員180名)は、第57次南極観測隊の隊員と物資輸送等の支援協力にあたるため、大勢の家族や関係者が見守る中、横須賀逸見岸壁を出港し、南極の昭和基地へ向けた約5か月間の航海に出ました。
 この日、逸見岸壁には約700名の乗員家族や関係者が早朝から見送りに訪れました。横須賀水交会からは、道家副会長、泉企画総括以下約20名の会員が参加しました。

 出国行事は10時30分から始まり、武居海幕長、統幕長代理の山崎統幕副長の栄誉礼ののち、大鋸艦長が統幕副長に出港報告を行いました。続いて、山崎統幕副長が河野統幕長の訓示を代読し、「南極観測地域観測業務の発展に直接寄与できることに誇りを持ち、任務に邁進してもらいたい。」と訓示。その後、武居海幕長は壮行の辞で「重要な研究が佳境を迎えようとしており、「しらせ」の活動意義は一段と高まっている。能力を最大限に発揮することを期待する。来年には乗員そろって元気な姿で帰国することを祈念している。」と激励し、出国行事を終えました。
 横須賀音楽隊が軍艦マーチを奏でる中、午前11時「しらせ」は静かに岸壁を離れ出港しました。曲が「蛍の光」に変わると「しらせ」と岸壁で「帽振れ」が行われ別れを惜しみました。

 「しらせ」は、12月2日から6日までオーストラリア フリーマントルに寄港。12月3日に第57次観測隊員64名が乗艦します。フリーマントルを出港後は各種観測支援を実施しつつ、12月12日に南緯55度の南極圏に入り、リュツォ・ホルム湾経由昭和基地へ向かう予定です。昭和基地では基地設営や野外観測支援を実施し、来年2月27日の越冬隊交代式を終え、56次越冬隊員らを乗せ3月上旬昭和基地を出港。復路はオーストラリア シドニーに3月24日に入港し、26日に観測隊員が退艦、29日シドニーを出港したのち一路北上、4月14日に帰国する予定です。
 なお、今次行動には医官1名を含む10名の女性自衛官が乗艦していますが、女性自衛官の乗員は初めてとのことです。
 総行動日数151日、南極行動日数99日、総航程約2万マイルの長期行動であり、かつ南極という極寒の地での単艦任務。大いなる成果を上げ、「しらせ」の無事の帰国を祈ります。