231216_いかづち帰国行事

　
　　　　　　　
　　　　　　第４５次派遣海賊対処行動水上部隊　護衛艦「いかづち」帰国行事　　

　令和５年１２月１６日(土)　初夏を思わせるような小春日和の中、ソマリア沖アデン湾周辺海域において第４５次海賊対処活動に従事していた護衛艦「いかづち」(艦長　田中宏明２等海佐)乗組員約２００名（海上保安官８名が同乗）の帰国行事が実施されました。

　同艦は、本年６月に横須賀を出港し、現地での任務を完遂し帰国したものです。

　伊藤弘横須賀地方総監執行による帰国行事は、青木誠統合幕僚監部総務部長、日本船主協会関係者、上地克明横須賀市長、齋藤聡自衛艦隊司令官ほか各部隊指揮官、先任伍長、隊員、家族・友人など多くの方々が列席され、横須賀水交会からは永田会長ほか多数の会員が参加しました。

　統合幕僚監部総務部長青木誠陸将補に対する艦長の帰国報告の後、自衛艦隊司令官訓示、来賓祝辞、来賓紹介と行事は進められました。

　自衛艦隊司令官　齋藤聡海将は、訓示の中で、
「諸官の任務に臨むひたむきな姿勢は、世間一般に知られることはなかったが、私は、諸官こそ『名もなきヒーロー』であると確信し、指揮官として心から誇りに思う。」

と述べられるとともに、参列されたご家族の方へ体の向きを変えられ、

「今回の任務達成は、まさに皆様方の温かいご支援と深いご理解の賜でもあります。
　ご家族ご友人のお力添えが、我々の心の大きな原動力であり支えとなっており、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。」
と仰られました。

そして、
「諸官が本行動を通じて示した多大な努力と献身に対し、改めて敬意を表するとともに、今後なお一層の活躍を期待し帰国に際しての訓示とする。」
と結ばれました。

　続いて、海上保安庁　彼末浩明　警備救難部長が祝辞を述べられ、
「ソマリア沖アデン湾において展開される我が国の海賊対処行動は、平成２１年３月に第１次隊が派遣されて以来これまで１４年の長きにわたり継続されており、現在も第４６次隊の皆さんが任務を遂行されております。」

「いつ何時海賊事案が発生するか分からない高い緊張状態での任務は、想像を絶する苦労があったことと思います。」
「この度の任務完遂は、派遣された隊員のご家族のサポートがあればこそだということも忘れてはなりません。
　任務に派遣された隊員のみならず、ご家族の皆様もまた、この派遣の功労者であります。」
と仰られました。

　引き続き、参列されたご来賓の紹介、祝電の披露等が行われ行事は済々と行われました。

　行事終了後には、「いかづち」艦内識別帽を着用した齋藤聡自衛艦隊司令官によるチャレンジコイン授与式が開催され、いかづち先任伍長浅沼義文海曹長の進行により、功労のあった各分隊１名および海上保安官１名に対し司令官から熱い握手とともにコインが渡され、自衛艦隊先任伍長北口武史海曹長やご家族ご友人も一緒に記念写真を撮影しました。

　すべての行事が終了した後には、浅沼先任伍長から「（艦長の許可をいただきましたので）上陸員上陸許可！」が告げられ、解散となりました。

　整斉と整列した乗員の逞しく凛々しい姿は、任務を完遂した者としての誇りと自信に満ち溢れており、頼もしい限りでありました。

　海賊対処行動は長期間にわたる任務であり、厳しい環境条件のもとでの緊張は計り知れないものがあります。

　国際的な責務を果たし国益に寄与した指揮官及び乗員各位に対して、深い感謝と敬意を表します。
　乗組員の皆様には短期間かとは思いますが、休養され英気を養っていただきたいと思います。