平成22年度

      平成22年度定期総会開催   

 6月4日(金)よこすか平安閣において平成22年度定期総会が開催された。
 中尾幹事の司会により、物故者に黙祷を捧げた後、会則の規定により長崎会長を議長として、3議案について審議が行われ、いずれも賛成多数で了承された。その概要は次のとおりである。@21年度活動においては、39名の新人会員があり、年度末において680名の会員数であること、また、各活動は概ね計画どおり実施され、順調に推移したこと。A新役員の選任については、会則改定により常務幹事に事務局長を設け、本多副会長が兼務することになったほか、7名の新役員、2名の退任があり、顧問5名及び幹事67名の体制であること。B22年度活動計画については、本部事業計画に基づく6項目の活動方針を定め、ほぼ例年と同様の活動を推進すること。
 なお、質疑において、海外派遣艦への激励品の贈呈が22年度から中止されることを残念との意見があったものの、予算の確保が難しく、予算案は現計画のまま了承された。

 一般討議においては、新たな「水交会定款」及び「支部運営規則」の制定に基づく「横須賀水交会会則」の改定について、土井幹事長が報告した。21年度定期総会において中間報告がなされていたこと、また、旧会則との変更点を併記しわかりやすい説明であったことから、参加者には理解されたものと思われる。本会則は「支部運営規則」の規定に基づき、21年9月から施行することが承認された。

 その後、新入会員の紹介、叙勲者の紹介を行った後、最後に保井幹事より連絡事項として、「日米安保条約改定50周年記念講演会」及び「夏期防衛講座」の案内並びに水交会発刊「苦心の軌跡 第1巻 射撃」の紹介があり、充実した総会を終了した
 

  総会に引続き、「海上自衛隊の現状」と題して、横須賀地方総監 松岡海将による講演が行われた。  講演は、@海上自衛隊の抜本的改革の概要A横須賀地区整理統合事業の2部構成により行われた。

 抜本的改革では、「心身ともに健全で足腰のしっかりしたプロ集団たる海上自衛隊」を改革方針と定め、「物先行型から人・物均衡型の海上防衛力への転換」を基本方針として、改革の3本柱「装備と人員のバランスの取れた体制への変換」「プロフェッショナル養成態勢の再構築」「活気みなぎる組織の再生」を推進するため、海上自衛隊に求められている@組織の見直しA運営の再構築B隊員の充足C精神的内面の充実の4点について改革を推進していると述べられた。21年度は予算の制約があるものの、規則など施策(環境)を見直し成果をあげつつあること、また、22年度は環境の見直しを継続しつつ人の育成を図るとの報告がなされた。隊員の意識調査結果から、海外派遣艦艇を経験した乗員ほど「部隊に活気がない」「生活への犠牲感」「処遇への不満」等を持っており、抜本的改革を推進し、隊員の内面的充実を図りたいとの強い決意が感じられた。

 横須賀地区整理統合については、関東自動車の移転に伴う跡地利用等を含め、防衛省・海上自衛隊と横須賀市が連携し、潜医隊、大矢部弾庫の移転など、船越・田浦・比与宇地区への集約化が計画されている。計画は16年度に開始され、26年度までに整理統合が完了する予定であり、現在順調に推進されている。横須賀地区は敷地の集約化により、後方支援態勢の充実・効率化など、横地隊の能力向上が期待される。
 

  講演終了後会場を移し、小泉国会議員、横須賀市長代理沼田副市長等の一般来賓、杉本自衛艦隊司令官、松岡総監等部隊指揮官及び先任伍長など、多数の来賓の臨席を得て、懇親会が開始された。
 
 長崎会長の力強い挨拶に続いて、総理指名の国会を終えて駆けつけた小泉議員からは、野党として、新内閣の安全保障等をチェックし、防衛政策の改善に貢献するとの宣言が、また、沼田副市長からは、市長メッセージを代読して、良好な海上自衛隊と横須賀市の関係を継続するとともに水交会に対する期待のこもった祝辞が、さらに、杉本司令官からは、海外で活躍している艦艇、航空機、とりわけアデン湾での活動について、諸外国の海軍から高い能力評価を得ているとのうれしい報告と支援に対する謝辞が述べられた。引き続き、来賓紹介、祝電披露へと進み、そして、松岡総監の音頭で高らかに乾杯し、懇談に入った。会場のあちこちで現役と会員との交流の輪が広がり、楽しいひと時を過ごしたが、永田潜水艦隊司令官の発声による万歳三唱をもって、名残惜しくも散会した