平成23年度

      横須賀水交会定期総会開催   


 梅雨の中休みの6月3日()よこすか平安閣において平成23年度定期総会が開催されました。

 道家幹事の司会により、物故者に黙祷をささげた後、会則の規定により長崎会長を議長として、3つの議案について審議が行われ、いずれも賛成多数で了承されました。

 その概要は次のとおりです。@22年度の事業及び決算報告については、44名の新会員があり、会員数は21年度末と比較し、17名増の692名であること、また、各事業とも計画どおり順調に実施されました。A新役員の選任については、長崎会長が顧問に、土井幹事長が会長に、中尾幹事が幹事長に就任したほか、新たに15名の幹事が選任され、土井新体制が発足しました。B23年度事業計画及び予算については、本部業務計画に基づく7つの活動方針ごとに事業計画を策定し、東日本大災害に対する災害派遣部隊への激励が新たに追加されたほか、ほぼ例年どおりの事業及び予算となりました。

 その後の一般討議において、総会案内等の通知が遅いとの指摘がありましたが、郵送費削減のためにとった民間輸送会社に問題があり、郵送手段を再検討することになりました。

 次に、新旧役員・新入会員の紹介を行った後、今年が横須賀水交会発足10周年の節目の年であることから、横須賀水交会の発展に貢献された9名のうち、参加いただいた塚崎展生氏、羽田義宏氏、早川三次郎氏に対し、長崎会長から感謝状の贈呈を行いました。参加できなかった相澤萬里之氏、大竹高雄氏、齋藤源太郎氏、徳永昭一氏、初谷知男氏、吉富明治氏については、後日、長崎会長により御自宅等での贈呈を行いました。

最後に、水交会林崎会長より長崎前会長へ感謝状の贈呈、土井新会長へ会長委嘱の伝達が行われ、成功裏に総会を終了しました。


 休憩の後、「東日本大震災における海上自衛隊の活動(From The Sea)」と題して、海上自衛隊の災害派遣部隊指揮官である横須賀地方総監高嶋海将による講演が行われました。


 内容は、「初動全力」「初期配備」「主要活動」「活動実績」などについて、具体的な数字を挙げた説明の後、沢山の写真を提示しながら「緊急出港」「生存者の捜索」「物資輸送」「港湾調査」「生活支援」「遺体捜索」「原発事故対応」「日米共同」について、現場でしか判らない貴重な生の声を伝えていただきました。

 「さわゆき」は緊急物資を搭載して1時間後には出港したこと、翌朝までには20隻の艦艇が三陸沖に集結し、生存者の捜索を開始したことなど、艦艇・航空機・後方の各部隊が精強・即応を遺憾なく発揮できたとの頼もしい報告がありました。また、ヘリコプター(艦載、救難)、LCACが大活躍したこと、浮流物が多く、スクリュー、推進軸等に漁網やロープが絡まったり、海底地形が隆起したりして、湾内への進入が難しい状況の中、苦労を厭わず困難を乗り越えての活躍であったことが理解できました。家族が亡くなった者も含め、隊員はあらゆる場面で最善を尽くし、本当に頭が下がる働きでしたと述べられました。

 海上自衛隊を支援する会員一同、この講演を通じて、隊員に対し心からの感謝と尊敬を新たにした貴重な時間でした。
 
 
 講演終了後、会場を移し、小泉、横粂両衆議院議員、横須賀市長、県議・市議、防衛関係諸団体代表及び倉本自衛艦隊司令官等防衛省・自衛隊の部隊指揮官・先任伍長など、多数の来賓の臨席を得て、懇親会が行われました。

 土井新会長のユーモアあふれる所信表明の挨拶に続いて、来賓を代表して吉田市長、小泉議員、横粂議員から横須賀水交会に対する熱い期待が込められた祝辞を、また、倉本司令官からは大震災に対する災害派遣で海上自衛隊が精強・即応を発揮できたのは、良き伝統の賜物であるとの先輩への感謝と海上自衛隊の継続的発展を約束し、頼もしくも心温まる祝辞を頂きました。

 引き続き、来賓紹介、祝電披露へと進み、そして、高嶋総監の音頭で高らかに乾杯し、懇談に入りました。会場のあちこちに再会と交流の輪が広がりましたが、松下護衛艦隊司令官の中締めの乾杯をもって、名残惜しくも散会しました。
 
 
 なお、横須賀水交会では被災地に対する息の長い支援を続ける一環として、懇親会でも募金活動を行い、参加者から多くの浄財が寄せられたことを併せて紹介しておきます。