休憩の後、「海上自衛隊の現状」と題して、自衛艦隊司令官河野海将による講演が行われました。
内容は、「大綱の考え方」に始まり、「湾岸戦争」、「PKO派遣活動」、「昨年の東日本大震災時の災害派遣活動実績」など、自衛隊の活動の幅が年を追って広がっていく状況、すなわち「創る自衛隊」から「働く自衛隊」への変遷を順序だって説明されましたが、統幕副長在任時の経験から統合部隊としての活動の重要性及び問題点等についても付言されました。
次に、自らの勤務方針のひとつである「伝統の継承」についてその意図することを述べられました。その中で海上自衛隊の原典は「当直勤務」にあり、「即応」体制は当直があるから維持できること、またしっかりと休養することにより「精強」が保たれるため「直明け」が重要である旨などについて説かれました。また現在、海上自衛隊が推進している「抜本的改革」と「業務削減」にも言及され、「精強性を損なわずに業務を減らす」というように誤解している向きがあるが、そうではなくて「精強性を増すために仕事を減らす」ことが大事なのだという、お話にはなるほどと納得させられるものがありました。
最後に「抜本的改革」とはいっても、「海軍のしきたり」等「絶対に変えてはいけないものがある」という力強い言葉で講演を締めくくられた。
海上自衛隊を支援する会員一同、この講演を通じて、改めて海上自衛隊の現状とこれから進むべき方向を再認識できた貴重な時間でした。
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