恒例の横須賀防衛諸団体共催・横須賀夏期防衛講座が横須賀商工会議所において7月28日(土)に開催されました。当日はうだるような猛暑であったにもかかわらず、会場は現役自衛官を含む来賓及び熱心な各団体会員並びに一般公募から選ばれた約30名の聴講者で、ほぼ満員の盛況でした。
本講座は、第一部「講演」、第二部「懇親会」で構成されています。講演を熱心に聴講した後、懇親会では講師を囲み、参会者同士が和気藹々の懇談を通じてしばしの暑気払いをすることも、本講座の楽しみの一つとなっています。
今回の講演は、講師に元防衛研究所研究室長の平松茂雄先生を迎え「中国の海洋進出」と題して行われました。平松先生は慶應義塾大学の御出身で、防衛研究所研究室長を経て、杏林大学で教鞭をとられたとのことで、この間中国軍事研究に打ち込まれ、中国の軍事面における研究者としてのご活躍が顕著な方です。
講演は、小山横須賀防衛協会会長による開会挨拶に引き続き、幹事である小田倉隊友会横須賀支部長による講師紹介で始められました。
内容は、講師が1980年代に上海でじかに目撃された中国の衛星追跡船がまさに最初の大陸間弾道弾の試験に供されたもので、当時は2隻程度であったものが、近年ではさらに増強され4〜5隻体制となり護衛の戦闘艦艇や補給艦を含めかなり充実した兵力構成となり、従来は北半球と南半球といった大雑把な区分で活動していたものが、今ではインド洋、北太平洋、南太平洋及び大西洋とより広範囲に展開しているというような例を挙げられました。そのことは、米国に対抗するためには、まずは核、大陸間弾道弾の保持という毛沢東の方針が脈々と続いている証左であるとの考えを披露されました。そして中国が10年周期で進歩発展し、じっくりと着実に海洋覇権を拡大しようとしているという点について分かりやすく述べられました。
|