9月5日(木)、横須賀水交会(会長土井克彦)約70名は、厚木航空基地の部隊研修を行いました。業務が極めて多忙にも関わらず貴重な時間を割いていただき、米海軍厚木航空施設及び海上自衛隊厚木航空基地並びに米海軍前方艦隊航空所属の第15ヘリコプター部隊(HSM-15)と海上自衛隊の第51航空隊を見学することができました。日米海上作戦部隊の誠意あふれる真摯な研修接遇と実働部隊の練度の高さのみならず、日米部隊の積極的な地元対策への取り組みにも深い感銘を受けるとともに、日米指揮官や湘南水交会の方々を交えた懇親会を通じて現役隊員を激励し、日米共同の重要性と信頼性について肌で感じ取ることができました。最近入会された有志会員も多数参加されており、横須賀水交会会員各位の会勢拡大努力の成果が表れると同時に会員の定着に大きな効果も期待できる有意義な部隊研修となりました。
当日は、激しい降雨が続き、集合場所の相模大塚駅は、落雷のために早朝から電車が不通となりました。時間通りに参加者が到着できるか危ぶまれましたが、会員は、船乗りの習慣でもある5分前の精神を遺憾なく発揮され、バスやタクシーを乗り継ぎ早々と集合場所に現れました。また、幸いにも運行を再開した電車により特に混乱もなく部隊研修参加者が集合し、支援車両により基地への移動を予定どおり完了しました。
まず、基地ターミナルへ移動し広報資料館を見学しました。第4航空群司令部首席幕僚村上1佐による派遣海賊対処行動航空隊表彰状や厚木基地所在部隊の説明がありました。辛坊氏を救助したことで一躍注目され、災害派遣に備え待機中の海自飛行艇US−2や飛行訓練中の米空母艦載航空機など日米の飛行場地区も間近に見ることができました。
次に、丸山渉外専門官から米国以外の港に配備されている唯一の原子力空母ジョージワシントンを支援することが主たる任務である米海軍厚木航空施設(NAF)について現状説明がありました。米海軍の指揮系統、所在部隊、任務、東日本大震災に際して行われた日米共同によるトモダチ作戦の状況についての説明を受けました。数千名に及ぶ空母乗組員平均年齢はわずか21歳ということです。数多くの若い兵士が米海軍の前方展開戦略の第一線を支えていることが紹介され関心を集めていました。英語講師の派遣による地域の小中学生との交流や清掃活動、盆踊りなど地域の各種行事に積極的に取り組むなどボランティア活動を通じた米海軍による地元対策の周到さに改めて感服させられました。
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ここで、参加者は2個班に分かれ大型バスとマイクロバス2台に分乗し北回りと南回りで車窓から滑走路周辺を見学しつつ米海軍のヘリコプター部隊と海上自衛隊の第51航空隊の新型哨戒機P−1を交互に研修しました。
HSM−15(通称:ウォー ローズ)は、SH−60BからSH−60Rに機種変更中で、今年中に変更が完了するとのことです。新しいSH−60Rのコクピットは4つの大型ディスプレイが装備されていて、左右同じ画面が見られることもあり、メインパイロット席とコパイロット席は区別されておらず、パイロットは好きな方に座るとのことでした。対潜哨戒や捜索・救助などの任務に応じ、装備を変更して出撃するということです。乗員はパイロット2名とクルー1名の計3名で異なる任務も一人でこなし省人化に努めているとのことでした。隊司令のルー海軍中佐以下副長と若手パイロット2名による実体験を交えた説明に質問が相次ぎ、コックピットに座らせていただくなど得難い体験に感動しました。参加者総員と米海軍説明者がヘリコプターの前で記念撮影し部隊を後にしました。
第51航空隊は、「海上自衛隊で使用する航空機及び装備される機器の性能調査、評価、用法研究等を行うとともに、航空部隊に対し技能向上のための訓練指導やこれらの業務に従事できるテストパイロット等の養成教育」を実施する部隊です。 51空副長藤澤1佐による概要説明に引き続き現在部隊での試験中の新型哨戒機P−1を研修しました。ボンベイドア及びエンジンカウルをオープンした状態で機体と試験状況をうかがいました。純国産開発の新型哨戒機P−1は素晴らしい機体で、運用が開始されれば海上防衛を担う主役となりそうです。緊張が高まる我が国周辺海域における警戒監視やジブチにおける海賊対処活動に継続的に部隊を派遣しつつ、最新鋭の新型哨戒機の一日も早い運用開始に向け日夜試験に励まれておられる航空部隊の士気と術科練度の高さに深い感銘を受けるとともに、米海軍と肩を並べて日米共同の実をあげベストパートナーとして全幅的に信頼を得ている海上自衛隊の姿に日米安全保障体制の重要性と信頼性を強く感じることができました。
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研修の最後は、コンベンションセンターで米海軍や海上自衛隊の各指揮官及び研修でお世話になった方々、並びに湘南水交会の主要役員を加えての懇親会を行いました。まず、土井会長から、業務多忙の折快く多大なご研修支援をいただいたことに改めて感謝する挨拶がありました。次に、森田第4航空群司令の挨拶では、日米共同使用という厚木航空基地の特性と米海軍との協力状況や地元との友好関係の紹介にうなずく会員が多く見られました。米海軍厚木航空施設司令官ワイエマン海軍大佐の乾杯で杯を上げ懇談に入りました。日米の友情や地元住民とのエピソードに研修での質問事項の確認など大いに盛り上がりました。終わりに清崎湘南水交会会長の乾杯で名残惜しいなか参会となりました。
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この研修を通じて、米海軍の方々を含め現役隊員を激励し併せて湘南水交会の方々との交流を深める機会を得られたことは横須賀水交会会員の大きな喜びと誇りとなりました。
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