平成26年度

      館山航空基地部隊研修を実施   

 10月10日(金)、横須賀水交会(会長土井克彦)約50名は、横須賀の艦艇部隊と緊密に連携し運用されている館山航空基地の航空部隊を研修しました。海賊対処部隊への派遣を継続しながら、練成訓練や警戒監視、災害派遣等に従事するという多忙を極める中ではありましたが、部隊のご理解とご支援を頂き、先の大戦において輝かしい武功を成し遂げ祖国の防衛に殉じられた海軍航空部隊や落下傘部隊の練成の地として発展した歴史的遺産を基盤にしつつ、戦後、海上自衛隊艦載航空部隊の第一線を担っている館山航空基地の現状をつぶさに研修することができました。

 初秋の快晴の空のもと、参加者は、金谷港及びJR館山駅に集合の後、館山航空基地へ到着しました。まず、司令部庁舎において、日向錦次郎第21航空群司令から、海軍航空隊や海軍陸戦隊の尚武の地としての館山航空基地にかかわる歴史と海上航空の現状及び今後の発展についての説明がありました。海軍陸戦隊の発足と初陣にかかわる歴史的事実と記念碑に書かれている碑文の関連について熱心な意見交換が行われるなど、海軍航空隊の伝統を引き継ぎながら海上防衛の中核として、警戒監視、災害派遣、海賊対処派遣等幅広い任務に日夜まい進している館山航空基地の様子を理解することができました。


 
研修は、航空機(SH-60K)、管制塔、地上救難班、資料館等各班に分かれて見学が行われました。SH60-Kの見学に際しては、説明に女性操縦士である林2尉も加わり、海上自衛隊における女性の活躍と役割の着実な拡大を印象付けられ、記念写真に納まる参加者も見受けられました。管制塔の見学では、館山湾の素晴らしい眺望に見入るとともに、航空安全と救難に備え管制業務に従事する隊員の張り詰めた空気を肌で感じつつ、当直中のそれぞれの隊員が担っている管制要領の分り易い説明がありました。地上救難班では、最新の消防救難設備を有する地上救難の要領等について細部にわたり研修でき、部隊の士気と術科練度の高さに改めて感銘を受けました。資料館では、黎明期における海軍航空隊の時代から、戦時中、更には、現在に至る歴史的な経過が一般の方々にも分りやすく展示されており参考になりました。基地周辺には防空壕や格納庫等の旧海軍関連の施設跡も数多く残されており、さらに時間をとって見て廻りたいと感じた方も多かったように感じられました。


 部隊研修後、会場を幹部食堂に移し意見交換会が和気藹々とした雰囲気の中で行われました。まず、土井克彦横須賀水交会会長から、部隊研修をさせていただいたお礼の言葉とともに、艦載回転翼機開発当時、艦艇部隊と航空機部隊が熱のこもった議論を繰り返しながら現在の装備に至っている経験を披露して、横須賀水交会が館山航空基地を研修する意義を強調されました。日向群司令からは、艦艇部隊のOBを主たる会員とする横須賀水交会が艦載回転翼航空機部隊を研修することを大歓迎する旨の挨拶でした。引き続き、現役の参加者及び藤田幸生水交会会長、川村巌隊友会館山支部長、庄司兼次郎海友会会長の紹介が行われました。乾杯の挨拶に際して、艦載回転翼航空機出身の藤田幸生水交会会長から、艦載航空機開発にまつわる熱意あふれる思い出や現在に通じる教訓とともに、現役隊員及び横須賀水交会に対する愛情あふれる激励の言葉で乾杯が行われ懇談に移りました。参加者は、厚生センタースナック「無番地」さんの心尽くしの海の幸とお寿司、彩り豊かなオードブルを味わいながら杯を重ね、現役の現場での手に汗を握る体験談に胸を躍らせ、激励とお礼の言葉を述べておりました。また現役は、昭和28年当時に館山航空基地勤務を経験した堂元清二氏(85歳)の苦労話に熱心に耳を傾けるなど、意見交換会は大いに盛り上がりました。最後に、中尾誠三副会長の中締めの乾杯により閉会となり、無事に研修を終わりました。