平成27年度横須賀夏期防衛講座開催    

 7月25日(土)横須賀地区防衛諸団体共催の横須賀夏期防衛講座が、記念艦「三笠」講堂において開催されました。

 今回の講師は、横須賀所在の防衛大学校長 國分良成氏ということもあり、当日は、今年の夏を象徴するような猛暑ではありましたが、現役自衛官を含む来賓及び各団体会員約200名の聴講者が集りました。
 第一部「講演」は、小山横須賀防衛協会会長挨拶後、中尾横須賀水交会会長が講師を紹介し、國分防大校長が登壇、「習近平体制下の中国と日中関係」という演題で講演が始まりました。

 講師は、冒頭、過去の多数の講演の中でも最も緊張したという福澤先生ウェーランド経済書講述記念講演会を引き合いに出され、「三田演説館では、福澤先生の肖像に背後からにらみつけられているという感覚でしたが、今回は、そこかしこに東郷平八郎元帥ほかの諸提督がにらみを利かしておられるといった別の緊張感を持っております。」と、ユーモア交じりに心境を語られ、聴講者の興味を引き付けて、講演を始められました。
 本論では、現代中国政治を専門的に研究されているお立場から、習近平体制中国の現状及び今後の動向について、内政については権力・利益・党支配体制・正当性を、外交については国際協調か中国的価値かを、そして、日中関係については戦略的互恵関係の再提起を切り口にして、わかりやすくご説明いただきました。
 特に、先生は、講演時間が約1時間と制約されていたことから、最初に、本講演の結論部分である「内向きで、国外の評判等は気にせず、自分を守ることしか考えていない。」といった、中国執行部の対応姿勢の特徴を端的に示されたうえで、レジメに沿って解説を加えるという講話手法を採られました。
 先生のご配慮のお陰で、講演は、私どものような素人にも理解しやすいものとなりました。講演が進むにつれ、聴講者が身を乗り出して聞き入る姿に、先生も講演に熱が入ったのでしょうか、終了時刻が近づいても、先生は、「締め切り過ぎると締め切りなし」と言って笑いを誘いながら、質問時間いっぱいまで、講演に時間を使われ、準備された内容のほとんどをお話しいただきました。
 聴講者は大いに満足し、万雷の拍手の中、講演は終了しました。
 講演後、小山会長から、謝意を込めた記念品を贈呈し、第一部は終了となりました。

 第二部「納涼懇親会」は、場所を「神奈川歯科大学学生食堂」に移して実施されました。
 講師の國分校長にもご出席をいただけたことから、会場には、先生の薫陶を受けた「にわか中国研究家」諸兄が大挙集合するなど、和やかな雰囲気の中にも、熱っぽく意見を交換する場と化しました。
 予定した時間は瞬く間に過ぎ、名残惜しさのある中、参会者は、一様に満足そうな表情で、家路につきました。
 斯くして、平成27年度横須賀夏期防衛講座は、無事終了しましたが、参会者の表情がその成功を代弁しているようでした。
 計画を担当された皆様、お疲れ様でした。