令和4年度
       
      海上自衛隊創設70周年記念行事  〜自由で開かれた海洋に向けて〜  

 令和4年4月26日(火)、横須賀芸術劇場大ホールにおいて海上自衛隊創設70周年記念行事が挙行されました。
 開式前の観客席では、この日招待された水交会や隊友会、家族会等の代表や歴代の海上幕僚長始め元海将のほか、海自支援者などが東京音楽隊の演奏に耳を傾けながら談笑する光景が多く見受けられました。
 なお、新型コロナの感染予防対策として、招待者は関東地区在住者に限られ、席も一つおきに指定されておりました。
 ステージ上は、向かって右側に事務次官、統幕及び陸海空幕僚長またはその代理、関東地区在籍の主要部隊の長が2列で並び、向かって左側は来賓席で祝辞を述べるお二人のほか、国会議員、神奈川県議会議員、横須賀、厚木周辺自治体の長や議長、海保3管本部長、米海軍から日米海軍司令官、第7艦隊副司令官、第5空母打撃群司令官及び第7潜水艦群司令官が列席されていました。

 式典は、国歌吹奏、殉職者に対する黙祷、海上幕僚長式辞、防衛副大臣訓示、来賓祝辞、来賓紹介、祝電披露という次第でありました。

 11時20分定刻どおり、開式の辞に続き、音楽隊の男女2名による国家斉唱がありましたが、感染予防対策として参列者は心の中で斉唱しました。
 その後、477柱の殉職隊員の御霊に対し黙祷を捧げたのち、酒井海上幕僚長が式辞において、Y委員会の発足に始まる海自創設期から現在に至る海自の歴史を象徴的な活動の事例を引きながら紹介されるとともに、創設から現在に至る米海軍との強い絆と日米共同の重要性を強調したことに続き、大きく変化する安全保障環境下、海上幕僚長の所信として「@宇宙、サイバー、電磁波に加え情報や認知という新領域への対応、A海自の旗印である『精強』、『即応』に『持続力』と『スピード感』を追加、B国内防衛基盤の強化、C優秀な隊員の確保、Dインド太平洋地域への取り組みとして多角的かつ多層的な安保協力の推進」と述べられました。
 引き続き、鬼木防衛副大臣が、隊員への慰労とこれまで海自支えてきた関係者への感謝を述べられるとともに、わが国の平和と安全が海自隊員の双肩にかかっていることを自覚し勤務して貰いたいと訓示されました。
 来賓祝辞では、岡部第19代海上幕僚長が、多くの逸話にユーモアを交えながら、海軍がブルーウォーターネイビーを目指したように海自もこれを目指し、湾岸戦争後の掃海部隊の活躍が国際貢献に道を拓き、外洋で活動するようになったこと、及び今後とも世界の平和と安全を守るためブルーウォーターネイビーとして発展することを祈念する旨を述べられました。
 次に、祝辞を述べられたのは、河野前防衛大臣で、世界第6位の海岸線と排他的経済水域を持ち、貿易量の9割以上を海洋に依存するわが国にとって海自の役割が如何に重要かを述べるとともに防衛大臣時の隊員施策等について紹介されました。

 最後に、歴代の防衛大臣はじめ国会議員や関係自治体の長などからの祝電が披露されて閉式となりました。
 次の80周年は、77年の海軍の歴史を凌いで迎えることになります。
 冷戦後の海自は国際貢献と中国の野望への備えや北朝鮮の弾道ミサイル対処など任務は増加し多様化する中、国連安保理常任理事国であるロシアがウクライナを侵略するという暴挙に出た。予断を許さぬ10年になるだろうが、もしかしたら海自も70数年でその歴史を閉じ、海軍として再出発しているかもしれませんね。

   (松下 泰士 幹事長 記)