令和4年度
       
      横須賀観桜会  ー 脱コロナ、3年振りの春の賑わい ー  

 令和5年3月25日午後、海上自衛隊横須賀基地内の厚生センター体育館において、横須賀地方隊、横須賀防衛協会及び横須賀水交会共催による観桜会が3年振りに開催されました。

 横須賀の観桜会は、従来、横須賀地方総監部が管理する田戸台分庁舎(旧横須賀鎮守府長官宿舎)の庭園を主会場に2部制で実施されてきましたが、今年は分庁舎の一部が整備中のため厚生センターに変更されました。
 分庁舎は、毎年この時期になると多くの人に庭園の桜を愛でてもらおうと日にちを決めて一般に開放されるほど観桜会に相応しい場所で、今年の観桜会の案内状を貰った人の多くは少々落胆したに違いありません。
 しかし、この日は朝から冷たい雨となり、結果的には良かったと思った人が多かったのではないでしょうか。

 総監部の隊門から厚生センターまでマイクロバスがピストン運行されるなど細かな心配りに感謝しつつ同センターに着くと、我が横須賀水交会の有志数名が受付業務を手際よくさばいていました。

 会場入り口には、永田横須賀水交会会長、平松横須賀防衛協会会長そして乾横須賀地方総監夫妻の順で作られるレシービングラインで招待客が次々に挨拶しながら会場に入っていきました。
 会場に入ると2種類のお弁当がテーブルに積まれており、好みの一つを選んで、それぞれ適当なテーブルに就きました。
 アクリル板のない立食形式の会場と会場山側に設定されたアルコール飲料も置かれたドリンクコーナーやカレーの屋台などは、脱コロナを象徴する風景でした。

 いよいよ開会となり、先ずは、主催者を代表して乾総監と平松会長から挨拶がありました。
 乾総監は、わが国を巡る安全保障環境とこれを背景に策定された所謂『安保3文書』について触れ、海上自衛隊としての取り組みの一端を紹介した上で、参会者の協力を得たいと結びました。
 続く平松会長は、横須賀が、わが国の防衛上最も重要な基地を抱える街であり、今後とも自衛隊とともに歩んでゆきたいと述べるとともに自衛隊を激励しました。

 このあと、乾杯かと思っていたところ、雅楽の音色が意表をつきました。
 何が起きるのだろうかと会場入り口方向を見ると、垂髪(すべらかし)を結った内裏雛のような女性と宮廷女官の装束を纏った女性の4人が静々と現れました。
 彼女たちはゆっくりとステージに上がり、やがて始まったのは十二単を一枚ずつ着せてゆくというパフォーマンスで、正式には『宮廷装束 十二単のお服上げ』というそうです。
 このイベントを監修したのは、国際文化理容美容専門学校の荘司礼子校長で、乾総監の要請により披露されたとのことです。
 十二単は、絵巻物で見るかTVを通じて皇室の儀式で目にするかであり、非常に貴重な催しでした。
 また、使われた衣装はすべて本物で、総重量は15キロになるという説明には驚嘆の声が上がりました。

 雛人形のような方々が雅楽とともに退場したあと、永田会長の音頭による乾杯となり、永田会長は、WBCでの侍ジャパンの活躍の話などを交えながら簡潔明瞭元気一杯に杯を上げ、会場は一気に宴会モードとなりました。

 出席者は、330人を超え、会場内では会いたい人を見つけても一旦見失うと再度巡り合うのは困難なほどで、ここに3年振りの春の賑わいが完全に戻ったのでありました。

 (松下 泰士 幹事長 記)