令和6年度
       
      掃海艦「のうみ」引渡式・自衛艦旗授与式  

 令和7年3月12日(水)、掃海艦「のうみ」の引渡式・自衛艦旗授与式が春を予感させる小糠雨の中、ジャパンマリンユナイテッド株式会社横浜事業所鶴見工場で執り行われました。

 本艦は「あわじ」型4番艦として令和5年10月24日に進水式を行い、「のうみ」と命名されました。

 「のうみ」の艦名由来は、広島県厳島南東、江田島と地峡でつながる東能美島、西能美島を合した呼称を艦名としました。
 呼称は「のみ」、水路図誌にも「のみ」と記していますが、地元での現代呼称に従い「のうみ」を採用しています。

 海上自衛隊としては初めて命名される艦名で、日本海軍では海防艦「御蔵」型の同じく4番艦の「能美」が初代になります。

 本艦の仕様・装備は「えたじま」との差異はなく、FRP製掃海艦艇として7隻目、今日ではJMUが国内では唯一掃海艦艇を建造していますが、前身の日立造船、日本鋼管で建造した木造掃海艦艇から数えて「のうみ」は117隻目となります。


 式典では、本田 太郎 防衛副大臣、齋藤 聡 海上幕僚長をはじめ、防衛省及び建造所関係者等多数の参列者を得て、厳粛に行われました。

 はじめに建造所から防衛省へ引渡しが行われ、後に本田防衛副大臣から自衛艦旗が「のうみ」艦長に厳かに授与されました。

 引き続き自衛艦旗を捧げた副長を先頭に乗組員が乗艦し、後部甲板に整列、国歌の演奏とともに自衛艦旗が掲揚されました。

 ここに掃海艦「のうみ」が就役し、掃海隊群、第3掃海隊に編入されました。


 続く祝賀会での祝辞において本田防衛副大臣は「我が国を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しく複雑なものとなる中、艦船の安全な航行の確保に大きく寄与する掃海隊の艦艇にかかる安定的かつ中長期的な維持整備のために、艦船の建造修理基盤を高い水準で維持することが極めて重要であると認識している」と語られました。

 その期待に応えるべく「のうみ」は多くの式典参加者、JMU鶴見工場の社員に見送られる中、配備先の呉に向かって決然と堂々、出港していきました。

   (勝目 純也 幹事 記)