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令和7年9月27日(土)、横須賀防衛諸団体共催(*)による横須賀防衛講座が懇親会を含めて開催されました。
当日は、田中 茂 横須賀市長代理市長特別顧問、山口 宣久 横須賀地方総監代理幕僚長をはじめ、来賓及び各団体会員、総計約140名の方々が参加されました。
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第1部の「講演会」は、講師に産経新聞社 上席執行役員 論説委員長の 榊原 智 氏をお迎えして、記念艦「三笠」の講堂で行われました。
榊原氏は、平成2年東京大学文学部国史学科卒業後、産経新聞社に入社、防衛関連の各問題を担当され、社命で履修した防衛大学校総合安全保障研究科(修士課程)を平成13年に卒業、その後、拓殖大学客員教授、防衛省防衛人事審議会委員、国際安全保障学会理事などを歴任されています。
開会の辞に始まり、国歌斉唱、防衛諸団体の紹介、松下 泰士 横須賀水交会会長による講師紹介、そして講演、質疑応答と続きました。
講演は、「日本の安全保障と課題〜混乱する日本政治の中で〜」を演題とし、前半は目前の自民党総裁選を主に国内政治情勢を俯瞰し、後半は我が国が抱える安全保障上の課題について豊富な知識と経験に基づき多岐にわたる課題についてご講演いただきました。
国内政治情勢については、自民党の支持率が相対的に低下、構造的な打撃を受けているとし、政治の地殻変動が起きているが、朝鮮戦争以来の厳しい安全保障環境を考慮すれば安定した日本の政治が望まれると述べられました。
また、安全保障に関しては「ガザ地区やウクライナ等戦争が生起している地域以外で、日本周辺は最も危険な地域である」との情勢認識から、防衛費増額の前倒しについて触れたほか、現実的な選択肢として核抑止について議論を深める必要性も丁寧に説明されました。このほか、「社会の変革に応じた防衛体制の構築」として、停泊中の艦船や駐機中の航空機に対する脆弱性、海底ケーブルなどのインフラ、地下シェルターを含む国民保護など社会の変化や技術の進展に伴う新たな課題を列挙しました。
さらに、自衛隊法を諸外国の軍隊が多く採用している「してはいけないこと」だけを列挙する方式への改定や軍事法廷の設置、防衛問題に関する教育の実施といったこれまで検討されなかった課題にも触れ、各省庁、自治体、民間も含めた政治の問題として取り組む必要性を指摘し、講演は以上の内容で締めくくられました。
講演後、平松 廣司 横須賀防衛協会会長の謝辞では、在日米海軍及び陸海空自衛隊が所在する横須賀の地域的な特性に応じた課題、特に核抑止及び法整備に関する課題については勉強になりましたと述べられ、防衛講座にふさわしい新たな知見が得られたものと確信しました。
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第2部の「懇親会」は、場所を「神奈川歯科大学学生食堂」に移して実施されました。
懇親会には、三浦 信祐 参議院議員を始め、田中横須賀市市長特別顧問及び自衛隊の部隊指揮官・先任伍長など、多数の来賓が出席されました。
主催者を代表し、平松横須賀防衛協会会長の挨拶に引き続き、清水 徹 護衛艦隊司令部幕僚長による護衛艦隊の取り組みの紹介と支援の感謝に続く乾杯を合図に懇親の宴が始まりました。
来賓紹介では、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動及び中東地域における情報収集活動業務のため、出国を1週間後に控えた 飯尾 啓正 おおなみ艦長に激励の意味を込めてひときわ大きく拍手がわき起こりました。
会場では、話題が尽きない講師へ挨拶や質問をしたり、来賓を囲んで写真撮影をしたり、旧交を温めての談笑をしたりなど、盛況の内に閉会の時間を迎え、講師をお見送りして散会となりました。
酷暑が過ぎ、大勢の来訪者が記念艦「三笠」に来艦していましたが、これを機に、先人の労苦と現在の安全保障環境を巡る課題に関心を持っていただければと思いました。
(田村 久幸 幹事 記)
*横須賀防衛協会、横須賀水交会、隊友会横須賀支部、三笠保存会、隊友会武山・三浦支部、自衛隊家族会神奈川県三浦半島地区会、三浦半島自衛官募集相談員会、桜友会(順不同)
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