講師が、同戦争の勝因として強調されたのは、第一に小村寿太郎の功績と言うべき大戦略としての日英同盟締結があり、これによる情報と金の面での心配がなかったこと。また、ロシアの戦争準備が整う前に開戦時機を選んだこと。そして、当時の国民(庶民)の圧倒的なまでの愛国心と能力の高さであった。
また、講師から、一般に日露戦争を勝った明治の政治家、軍人と比較して、前大戦で敗れた昭和初期の軍人等はダメだったというのが定説ではあるが、両者は基本的に同じ教育基盤に立脚しており、後者の方が人格・知力・度胸等の面でむしろ優れていたと思う、ただし,戦後の日本人とこれらとはかなり断絶があるとのお考えが披瀝された。
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