平成19年度定期総会

総 会
 横須賀水交会は、4月13日(金)よこすか平安閣において平成19年度定期総会を開催した。
 司会の土井理事による開会の辞、黙祷のあと、佃会長の議事進行により、
 @18年度の事業及び収支決算の報告
 A新役員の選任
 B19年度事業計画及び予算
について審議が行われ、いずれも賛成多数で承認された。
 これらの中で、昨年度は33名の新入会員があり3月末現在での会員数が678名であること、事業を計画どおり推進していることが報告された。また、芹川理事長の後任として本多理事が新理事長に就任する等の新体制についても異議なく承認された。

 一般討議・提案では、天沼会員から靖国神社関連で「国として殉職隊員等をいかに祀っていくか」という問題について、水交会として見解を固めていくべきことが提起され、芹川理事長から「水交会全体の問題であることから、支部長会議で会長から発表する」との回答がなされた。
 引き続いて、理事長から新水交会社屋更新募金について、3月末で計画の約1/3が達成されていることが紹介された。
 鶴田理事からは、葉山御用邸での奉仕活動及び少年少女をヨットで大自然に触れさせるボランティア活動への有志の参加呼びかけがあった。
 その後、退任する4名の理事のうち出席の斉藤芳雄理事に対する感謝状の贈呈、昨年度中の新入会員と叙勲受章された会員、並びに有志会員による木下会員に対する支援活動状況の紹介が行われ、円滑に総会を終了した。
講 演
 休憩の後、元イラク先遣隊長、復興業務支援隊 初代隊長 佐藤正久氏を講師に迎え「イラクサマーワに赴いて想う事」と題した講演が行われた。
 講演の中で、佐藤氏がイラクに赴くに当たり「隊員を一人残らず生きて帰らせる」ことを最大の目標と定め、一般の報道からは伺い知ることのできない厳しい現地環境の中で、すべてがゼロの状態から、特に「住民の信頼を獲得する」ことに全力を注ぎ、人のネットワークを築いて情報の入手と発信に努め、自ら「信頼と安全の海を創造し拡大した」ことが語られた。
 また、そうする上で「日本の歴史と先輩の築いた基盤」(日露戦争の勝利、対米戦争敗戦後の復興と世界第2の経済大国への発展、80年代半ば頃まで現地に多く駐在していた企業/先輩の実績)が大きな役割を果たしたこと等について、3回の国際貢献活動(カンボジア、ゴラン高原、イラク)に初代指揮官として赴いた経験を有する佐藤氏ならではの貴重なお話を聞くことができた。
 さらに、イラクには一生懸命働こうとする目の輝いた若者が一杯おり、日本のような「平和、安全、繁栄」はないものの「絆」を持っていることに感動し、「何とかイラクの人々を支援してあげたい」と考えるとともに、次世代のために一生懸命働いた昔の日本人が元々持っていた「絆」を再生し、「気概を持った日本を創る」ことを決意して、新たな道に歩を進めつつあることを力強く披瀝された。
 本講演には会員のほかにも陸上自衛隊を含め現役の諸官が多数参加されたが、参加者は皆真剣に聞き入っていた。


懇親会
 講演終了後会場を移し、一般来賓及び香田自衛艦隊司令官、別所少年工科学校長を始めとする現役部隊指揮官、先任伍長等、多数の来賓の臨席を得て、懇親会が開催された。

 


 佃会長の「水交会の最大の目的は海上自衛隊の支援にあり、現役のできないことを推進する」として本年度の目標を掲げた挨拶に続いて、香田司令官から新型イージス艦「あたご」や新DDHなど最新装備が着々と整備されつつあること及び本年度に抜本的な運用体制の改革が計画されていることの紹介と横須賀水交会への熱い期待のこもった祝辞があった。

 そして、来賓紹介、祝電披露、杉本潜水艦隊司令官の音頭による乾杯を経て懇談に入った。



 途中、少し遅れて臨席された蒲谷横須賀市長から、防衛省への移行を祝福するとともに、海上自衛隊及び横須賀水交会との信頼関係の上に立って益々市の発展に努めていく所存であり、キティホーク後継空母問題についても適切に措置しているとの祝辞があった。
 会場のあちこちに再会と交流の輪が拡がったが、小澤横須賀地方総監部幕僚長の発声による万歳三唱をもって名残惜しさを残しながら散会した。