日本海海戦100周年記念行事

 日本海海戦100周年を記念して、三笠保存会、水交会、東郷会を中心として諸行事が計画され、各地の記念講演及び演奏会、横須賀での慰霊献茶式、記念式典と記念柔道大会、福岡での洋上追悼行事等が予定どおり実施された。

 これら行事の内、みかさ公園に於ける記念式典は以下のように行われた。


 平成17年5月27日(金)、みかさ公園に設営された特設会場で日本海海戦100周年記念式典が行われた。当日は100年前の日本海と同様に天気晴朗であり、舞台の前に準備された1000脚の椅子は定刻前に満席となり、その周囲に約500名の一般参加者が立って見学する状況となった。

 式典は日露両国歌の吹奏、日本海海戦で国に殉じた日露両国将兵に対する黙祷に引き続き、増田大会会長の式辞、中曽根名誉会長、防衛庁長官代理として北村防衛庁長官政務官、露国大使代理の公使、英、米各国大使代理の国防武官の挨拶が行われた。

 中曽根名誉会長は5月27日が自分の誕生日であると紹介した後「日露戦争は、ロシアの場合には領土の拡張に過ぎなかったけれども、日本の場合は、生きるか死ぬか皇国の危機に臨んでの戦いで、明治天皇を中心にして、国民が死に物狂いになって戦った結果であります。この日本海海戦百年目にあたって、日本を回復し、平和国家として世界に貢献する、我々の努力を見てくださいと、日本海海戦に努力した先輩に対して、心に誓いたいと思うのであります」と挨拶を行った。


 ロシア大使代理のガルージン公使は流暢な日本語で「丁度100年前にロシアと日本が激しい戦いを行ったのは歴史の事実であります。幸い現在は、その日本海を対決の海ではなく友好、協力、善隣の海にしなければならないという唯一の正しい選択を行ってまいりました。現在の日露関係が100年前の時期に比べると抜本的に変わったことを特にロシアも喜んでおります」と挨拶を行った。


 次いで国会議員等の主要来賓や東郷家等日本海海戦に縁のある方々の紹介、小泉内閣総理大臣や石原東京都知事から寄せられた電報の披露の後に記念論文の表彰が行われた。
 これは日本海海戦100周年を記念して全国から論文を募集し、三浦朱門先生が審査委員長となって審査が行われたものである。最優秀作品には高橋小百合(京都女子大学大学院生)さんの「連合艦隊解散ノ辞に寄せて」が選ばれた。高橋さんは博士課程の学生で海上自衛隊等になんら関係は無いが、この論文は極めて質の高い論文の様であり、次回「水交」で全文紹介されるとの事である。また佳作は3篇で 石田益資(会社員)氏、新田 洋(海自幹部学校学生)氏、八杉 哲司(空自、上智大学博士課程)氏の作品が選ばれ、三浦先生の講評の後、表彰式が行われた。

 式典終了後、横須賀プリンスホテルにおいて記念宴が行われた。

 この様にして日本海海戦100周年記念式典は終わったが、この大会に横須賀水交会は来賓の案内等に全面的に協力を行った