平成20年度

                    夏期防衛講座

 横須賀地区防衛諸団体共催による合同夏期防衛講座が、8月23日(土)午後、講師に日本戦略研究フォーラム会長(アサヒビール(株)名誉顧問)中條 高徳 氏をお迎えし、神奈川県立保健福祉大学講堂で開催された

 当日は、防衛諸団体の会員、一般市民、横須賀在所陸海空自衛隊の指揮官等隊員のほか、制服を着用した少年工科学校の生徒約70名など多数の参加者があり、500名収容の会場はほぼ満員の盛況であった。

 講演会は定刻の1530分から始まり、まず共催団体11団体の紹介があり、長崎横須賀水交会会長などが壇上において紹介された後、共催団体を代表して小山満之助防衛協会会長の挨拶、主幹事の小田倉隊友会横須賀支部長による講師紹介に引き続き、中條講師により「戦後日本人の五つの忘れ物」と題して、2時間に及ぶ講演が行われた

 講師は81才とは思えぬ若々しい声で、日本の近代の歴史について、学校では教わることのない豊富な話題を織り交ぜながら、解り易く、また、熱心に話された。講演では、演題の「五つの忘れ物」について直接述べられなかったが、戦争の罪を日本人に叩き込み、今後日本が地球上に頭をもたげてこないようにとの戦勝国(アメリカ)による徹底した占領政策による、「歴史観」「国家観」「教育、しつけ」等の欠陥に起因していると話された。特に、憲法については、戦後63年間、国民の意思が反映されない、かつ、戦勝国が作成した憲法を変えないことに、また、自民党が憲法改正を第1の綱領として発足したにもかかわらず改正に動かないのは、安易に行き過ぎているのではないとの、強い指摘があった

 また、質問に対する回答において、終戦の5年後に起こった朝鮮動乱により、日本列島が共産主義陣営に対する自由主義陣営の最前線の砦として重要になったことから、国家の存立を無くそうとした占領政策が終わり、サンフランシスコ講和に結びついたことは日本にとって幸いなことだったこと、また、強烈な占領政策のおかげで、日本がその呪縛から開放されず、普通の独立国としてアジアの課題を処理できないことに、アメリカも戸惑っていることは、政治家の怠慢であると指摘された

 今回の講話では、若い少年生徒に対して、居眠りに対する注意も含め、熱い気持ちで、解りやすく、また、日本人としてのプライドを育てるような話題を豊富に引用して講話されたことが印象的であった

 講演に引き続き、国会、県・市議会議員、泉自衛艦隊司令官等の横須賀在所陸海空自衛隊の指揮官・先任伍長など来賓の参加を得て、同大学食堂において懇親会が開催された。会員相互また現役自衛官との懇談は弾み、時間の経過を忘れるほどの盛会であった