練習艦隊入港歓迎行事

            部隊(開発隊群)研修  

 横須賀水交会は、10月10日(水)午後、「開発隊群研修」を実施した。

 佃会長以下約50名の研修参加者が船越地区の真新しい「開発隊群庁舎」に集合し、東郷開発隊群司令から「海上自衛隊の装備について」と題する講話をいただいた。その中では、16DDH「ひゅうが」を始めとする建造中又は計画中の新型艦艇や9月下旬に初飛行した次期固定翼哨戒機(P−X)並びに各種新装備の概要がわかりやすく紹介された。特に、計画中の護衛艦について、厳しい予算の中で、DDHなどと併せて所要のDD隻数を確保するため、就役時の性能よりも艦の生涯を通じて装備を追加、更新できるようにすることを重視した新しいコンセプトを導入しつつあることが熱く語られた。質疑応答の中では、会員からの多種多様な質問に対して、群司令から丁寧な回答がなされた。
 講話終了後、試験艦「あすか」の作業艇と警備隊の交通船で、船越から吉倉桟橋まで移動を兼ねて横須賀港内見学が行われた。明るい日差しの中、気持ちの良いクルージングを楽しみながら、船越港では、元護衛艦「たちかぜ」、護衛艦「はつゆき」、「さわかぜ」、掃海母艦「うらが」など、吉倉港では「あすか」のほか、イージス護衛艦「きりしま」、護衛艦「いかづち」、砕氷艦「しらせ」、海洋観測艦「ふたみ」、試験艦「くりはま」など停泊中の各種艦艇を見ることができた。
 吉倉港に到着し、Y−3岸壁の試験艦「あすか」へと向かった。「あすか」は諸外国にもほとんど例を見ない、計画当初から、開発中の装備品を搭載し、護衛艦と同等の環境下で海上試験を行うためのプラットホームとして建造された、最新の「たかなみ」型護衛艦とほぼ同程度の大きさを有するユニークな艦である。

 「あすか」では、初めに格納庫において久保田艦長から艦の説明を受けた。現在、同艦は建造中の「ひゅうが」に初めて実装備される、ミニイージスとも言われる新射撃指揮装置(FCS−3)、新ソーナー(OQS−XX)及び新情報処理装置(ATECS)などを搭載しているが、既にその一部は「ひゅうが」に装備するため撤去されたとのことであった。この後、4組に分かれて、艦橋、CIC、機関操縦室、食堂、居住区などを見学させていただいた。ラッタル(階段)で息をきらし「護衛艦でもこんなに急だったっけ?」、一般乗員の2段ベッドを見て「昔は5段だったのに…」というような声も聞かれた。
 「あすか」見学を終えると、ちょうど日没となって、久しぶりに厳かな自衛艦旗降下まで見ることができ、充実した部隊研修となった。
 その後、場所を近くのホテル・ハーバーに移し、東郷群司令、早野艦艇開発隊司令、高橋指揮通信開発隊司令を始めとする開発隊群の幹部及び先任伍長など多くの現役隊員の出席を得て懇親会が開催された。佃会長、東郷群司令の挨拶に続いて、最も遠方の入間から本研修に参加した安野会員の音頭で乾杯し懇談に入ったが、これからの海上自衛隊の装備等についての意見交換や各種の思い出話などで時間の経つのも忘れて会は大いに盛り上がった。

 最後に、本研修を有意義なものとするため、熱心かつ真摯に御協力いただいた東郷群司令以下の開発隊群の皆様に深く感謝するとともに、今後ますますの御健闘をお祈り申し上げる。